コラム

タイで浄水器が必要な理由:浄水場の水は安全でも供給過程に潜むリスク

タイで浄水器が必要な理由:浄水場の水は安全でも供給過程に潜むリスク
Hikasa

概要

タイ、とくにバンコクでは水道インフラが整備され、浄水場では国際的な水質基準に沿った処理が行われています。しかし、日本のような貯水槽の点検義務はなく、各家庭の蛇口まで水が届く過程で汚染のリスクが生じます。この記事では「浄水器・タイ」というキーワードに沿って、バンコクの水道事情や貯水タンクの問題点、実際に起きた汚染事例を紹介し、なぜ浄水器が必要なのかを考えます。

タイの水道水は浄水場では安全

「MWAによる浄水後の水質(実際に各家庭の水栓にて検査された水質)は、全てタイ国飲料水基準値の許容値(最大値)の範囲内であり、特に問題はないと思われる。なお、1997年にMWAは、バンコクの水道水が飲料可能との宣言を行なっている。」
引用元: https://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/1999_TXVI-10_4_f.pdf

この様なことからバンコクの水道インフラは十分に整っていると言えるでしょう。

貯水タンクの管理が不十分

問題は浄水場を出た後です。バンコクのコンドミニアムやアパートでは、屋上や地下に設置されたタンクに水をいったん貯めてから各部屋に供給する仕組みが一般的です。しかし、日本のマンションのように定期的な清掃や点検が法律で義務付けられていません。

コンドミニアムの貯水タンク: タイの住宅(コンドミニアムやアパート)は、一度屋上や地下のタンクに水を溜めてから各部屋に送ります。このタンクの管理がずさん(清掃不足、蓋の破損)だと、ボウフラ、藻、最悪の場合は小動物の死骸などが混入し、大腸菌などが繁殖するリスクがあります。
引用元: https://enjoy-bkk.com/bangkok-vegetable-parasite-contamination-list/

貯水槽が暗く湿った環境であること、熱帯で温度が高いことから、微生物が繁殖しやすく、大腸菌などの汚染も招きます。日本では水道法により有効水量10㎥以上の貯水槽について年1回の定期検査と清掃が義務付けられていますが、タイではそのような制度がないため、管理は建物オーナーや管理会社の裁量に任されています。

配水管の老朽化と漏水

もう一つのリスクが配水管です。タイの水道水は浄水場で処理された後、配水管を通じて各家庭に送られますが、インフラの老朽化や管理不足により、古い水道管から錆や汚れが水に混入する可能性があります。

配水管のひび割れや漏水があると、外部の土砂や細菌が水道水に混ざるリスクもあります。

熱帯の気候と高濃度の塩素

熱帯のタイでは水温が高く雑菌が繁殖しやすいため、浄水場から出る水には日本より高い濃度の塩素が含まれることがあります。高濃度の塩素は殺菌には有効ですが、皮膚や髪の乾燥、独特の匂いの原因にもなります。また、塩素は時間が経つと揮発してしまうため、先述のようにタンクに貯めた水では残留塩素が低下し、微生物が繁殖しやすくなるという矛盾が生じます。

実例:コンドミニアムの貯水タンクが原因となった感染症

2024年には、バンコク・チャトゥチャック区の高級コンドミニアムで約200人が目の感染症(アカントアメーバ角膜炎)にかかった事件が報じられました。バンコク都庁の調査では、浄水場から供給される水には残留塩素が1ppmあったものの、地下タンクや屋上タンクから採取した水では残留塩素が検出されず、規格(0.2〜0.5ppm)を下回っていましたhydro-bio.com

※イメージイラスト画像です。

アカントアメーバ角膜炎

アカントアメーバが角膜に感染すると、抗体反応を起こし、炎症を起こします。具体的な症状としては、眼に強烈な痛みや赤みが出たり、涙が過剰に出るなどが挙げられます。

さらに、日光や室内灯などの強い光に対して過敏になったり、角膜が白濁して視力が低下することもあり、症状が深刻化するとやがて失明に至る場合もあります。
引用元:https://www.kumada-ganka.com/topics/%E5%A4%96%E7%9C%BC%E9%83%A8%E7%96%BE%E6%82%A3/p4498/

さらに、検査では貯水タンクや住戸の蛇口から採取したサンプルにアカントアメーバ属の原虫が検出されましたhydro-bio.com

行政機関はタンクの清掃と塩素添加を指導しましたが、貯水タンクの未清掃箇所も見つかり、衛生管理の不徹底が明らかになりましたhydro-bio.com

この事例は、貯水タンクの管理不足が実際に健康被害につながる可能性を示しています。残留塩素が消えてしまったタンクでは雑菌や寄生虫が繁殖しやすく、眼感染症や胃腸疾患を引き起こすリスクがあります。

なぜタイでは浄水器が必要なのか

前述の問題から、タイで浄水器を使うメリットは大きいと言えます。

配水管と配水タンクのイメージ画像

※この画像はイメージ写真です。

配水管やタンク由来の汚れの除去

配管の老朽化: 浄水場から各家庭に届くまでの水道管が古く、サビ、重金属、砂、泥が混入することがあります。引用元:https://enjoy-bkk.com/bangkok-vegetable-parasite-contamination-list/

浄水器のフィルターは錆や泥、微生物、重金属を除去し、蛇口に届く水の品質を高めます。

高濃度の塩素

熱帯のタイでは、雑菌の繁殖を防ぐために日本よりも高濃度の塩素が含まれていることが多いです。引用元:https://enjoy-bkk.com/bangkok-vegetable-parasite-contamination-list/

浄水器を使用することで残留塩素や匂いを除去し、肌や髪への刺激を和らげることができます。

ボトル水より経済的

タイでは飲料水としてボトルウォーターを購入する人が多いですが、浄水器を設置すれば長期的にはコスト削減につながり、プラスチックごみの削減にも貢献します。

硬水対策

タイの水は硬度が高く、電気ポットや家電に石灰スケールが付着しやすいですが、軟水器やRO浄水器を併用することでスケール付着を防げます。

まとめ

バンコクの水道水は浄水場では世界基準に沿った安全な水質を保っています。しかし、老朽化した配水管や検査義務のない貯水タンクの管理不足、熱帯特有の高温多湿と塩素濃度の問題などにより、蛇口に届く水は汚染リスクを抱えています。実際にコンドミニアムで残留塩素が消え、寄生虫が検出された事例hydro-bio.comhydro-bio.comからも、貯水タンクが適切に管理されていない現状が明らかです。自宅で安心して水を使用するためには、浄水器の導入や貯水タンクの定期的な清掃を検討することが重要です。タイに滞在する日本人や在住者にとって、浄水器は健康を守るための必需品と言えるでしょう。

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ABOUT ME
ペンギンウォーター
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CKMA ペンギンウォーター編集部
CKMA ペンギンウォーター編集部は、バンコクで浄水器レンタル事業に携わる専門チームです。 浄水器を通じて「安心して飲める水の大切さ」を広めることを使命とし、日々現場に立ちながら正確で価値のある情報発信を行っています。 編集部のメンバーは、バンコクでの暮らしに密着し、インターネット上の情報だけに頼らず、実際に現地を歩き、お客様の声に耳を傾けながら取材・調査を重ねています。 その活動の中で、過去には大規模な洪水も経験しました。当時は多くの地域で水が不足し、安心して飲める水を届けるために、3か月間休みなく対応に追われたこともあります。 この経験は「清潔で安全な水の価値」を一層強く実感し、現在の活動にも深く息づいています。 CKMA ペンギンウォーター編集部は、暮らす人・訪れる人にとって信頼できる情報とサービスを届けることを信条としています。 ペンギンキャラクターと共に、透明で爽やかな水のように、皆さまの生活に寄り添う存在であり続けます。
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